【実話心霊体験談】学校の怪談 第5話 ~修学旅行②~

実話心霊体験談

こんにちは!BUZZです!

今回は、前回【実話心霊体験談】学校の怪談 ~修学旅行①~ の続きです。まだご覧になっていない方は、先にこちらからどうぞ。

中学校では、3年生の修学旅行に絡めて【平和学習】を実施する学校がしばしばあります。

社会科や総合的な学習など様々な学習の中に【人権学習】【平和学習】を教科横断的に組み込むようになっているからです。

この学校でも、修学旅行で戦争体験者の方の経験談を聞かせていただいたり、戦没者の慰霊碑に手を合わせたり、平和記念館で資料を拝見したり…。

この修学旅行は、教員である私たちを含め戦争を体験していない人たちが、「平和とは何か」を頭だけでなく肌で感じるためのとても大切な学習だと感じました。

平和学習の最後には、自然にできた洞窟を防空壕として使用していた跡があり、その中を見学するツアーが組まれていました。

頭上はごつごつした岩場になっているので、軍手とヘルメットを装着しました。ツアーガイドさんが先導してくださる後を、一人ずつに懐中電灯が配られてクラスごとにまとまって洞窟の中を歩いていきます。

洞窟の中は外よりも涼しく、肌寒いくらいの温度でした。
懐中電灯以外の明かりがないので、照らされていない洞窟の奥は真っ暗でした。【漆黒】とは、あのことを言うのだと思います。

ガイドさん「ここが生活スペースです。こちらはトイレです。こちらは……」

数千人規模を収容できるほど大きな洞窟で、それほどの人数が仕切りもなく共同で生活するということは想像を絶します。

子どもたちと一緒に歩きながら、この中で戦時中に十分な明かりもないままにプライバシーも食べ物もなく生活をしていた方々のことを考えていました。

すると突然

「ガシャーン」

何かが落ちるような大きな音がしました。

それと同時に

ガヤガヤざわざわ…

クラスの子どもたちがざわつき始めました。

列の後方にいた私は、何が起きたか全くわかりませんでした。

「どーした??!!何があった!?」

子どもたちをかき分けて列の前方に行ってみると、

人が倒れていました。

制服を着ています。

うちの生徒です。

「おい!!!!!大丈夫か?!」

さっきの大きな音はヘルメットが岩にぶつかる音でした。

ヘルメットをしていて本当に良かったです。

仰向けに倒れている男子生徒は、呼びかけても口をぽっかり空けたまま反応がありません。
呼吸の確認をしたところ、息はしており気を失っているようでした。

(貧血かな?)

(暗くて圧迫感のある洞窟にいて、ちょっと苦しくなったんかな?)

いろいろと原因を考えながら、とりあえず呼びかけます。

その時に気づきました。

この生徒の顔に、見覚えがありません。

3年間持ち上がった学年の生徒です。

顔が分からないわけがありません。

でも、この至近距離で顔を見ながら、見たことのない顔の生徒が目の前にありました。

ヘルメットの下の顔は、真っ黒に焦げていて、

ぽっかり空いた口からのぞく歯は、ボロボロのギザギザ。

頬はがりがりに痩せこけていて、

とても15歳の若い男子には見えません。

明らかに中年の男性でした。

B「え?この子、誰?!」

周りの生徒に聞いても

「え?…誰?わからないです」

周りを取り囲む生徒たちも不安そうに見ていました。

(背がそんなに大きくない。うちの生徒でこれぐらいの身長は、A君かB君。)

(B君は目の前に立っているから…この倒れているのはA君か!?)

そんなことを一瞬で頭の中で考えて、「おい!○○!」と呼びかけようとした途端、

「----っふあ!」

A君が大きく息を吹き出しました。

その瞬間、顔が痩せこけた中年男性から

いつものA君の顔に戻りました。

(おーーー!A君やん!さっきのおじさんは、誰?)

頭の中はパニックでしたが、子どもたちにそのことを悟られないように

B「よかった!大丈夫か?」

A「あ…。はい…。僕どうしたんですか」

B「ちょっと気を失ってただけやで。大丈夫。気持ち悪くないか?とりあえず、動けそうなら先生と一緒に外に出ようか。」

A君は自分の身に何が起きたのか、全くわかっていないようでした。
残りの生徒の引率を副担任の先生とガイドさんにお願いし、BUZZはA君を背中に負ぶって洞窟の外に出ました。

外に出ると一気に視界がひらけて、太陽の光がまぶしくて目を開けていられないほど明るい午後でした。

外の待合室でA君に飲み物を飲ませ、

少し落ち着いたところで

B「何があったん?」

A「いや…ガイドさんの話を聞いていたら、突然目の前が真っ白になって…。気が付いたら寝起きみたいな感じで…。」

A君はサッカー部のキャプテンで、毎日過酷な走り込みやトレーニングを積んだ生徒だったので、熱中症や体力的なことが原因とは考えづらい状況でした。

B「そかそか。とりあえず、怪我がなくてよかった。びっくりしたやろうけど、狭い暗い空間やったし、貧血っぽくなったんかもしれんな。大丈夫やで、こういうこともあるよ。とりあえず、今無事でよかった。みんなもうすぐしたら出てくるから、そのあとは一緒に行動できそうやな。」

そう話しをして、A君はそのあとの旅程でも何事もなかったかのようにみんなと一緒に楽しく過ごしていました。

ここからは、BUZZの考察になってしまいますが、

あの洞窟では戦争終盤に【集団自決】があり、たくさんの方々が亡くなっています。

もしかしたら、あの時A君には当時亡くなった方が入り込んだのではないでしょうか。

真っ黒の顔、

ボロボロの歯、

痩せこけた頬…。

当時、生活していた方々の思念なのか、集団で自決をされた方々の霊なのか。

今回の出来事の真相はわかりませんが、

ただ、この場で実際に戦時中を【生きたい】と願って必死に生活していた方々がいたことや、日本の未来を守るために命を懸けて戦った方々がたくさんいたことを、決して忘れてはならないと感じたのでした。

実はこの話を書くかどうか、とても悩みました。

ただの心霊現象として、エンタメの要素を大いに含んで読むというよりも、

私たちが今【生かされていること】について考えるきっかけにしてほしいと思い、投稿しています。

戦後79年目を迎える2024年。

戦争を経験してきた方々も少なくなりつつあります。

今でも世界中で絶え間なく戦争が起きています。

わたしたちは、いったい何を大切にして生きていけばいいのでしょうか。

そんな時、BUZZはこの修学旅行の体験を思い出すのでした。

おわり

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